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'08/08/11 本紙掲載 
キバレ!鹿児島実業 第90回全国高校野球選手権大会
第9日(8月10日)の結果

鹿実12回3連打/堅守健在 勝機呼ぶ

▽2回戦 甲子園球場
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
鹿児島実 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 3 4
宮 崎 商 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1

(鹿)松窪、岩下−湊崎
(宮)赤川−永田
▽三塁打 田野尻▽二塁打 森田2、松本▽残塁 鹿9宮11▽併殺鹿3(田野尻−福永−有川)2松本=3回、大島11回(福永−上坊)=8回、宮0▽暴投 赤川=3回
▽試合時間 2時間47分

 【評】ともに投手が良く、守備も堅固で引き締まった好試合となった。鹿児島実は1−1の延長12回2死一、二塁から中尾以下の3連続長短打で3点を勝ち越した。3回から登板した岩下は要所で直球が決まり、10回を1失点と踏ん張った。宮崎商は赤川が最後に力尽きた。9回から11回までは得点圏に走者を進めながら、あと1本が出なかった。

ハイライト
■狙い球決め 一気に
【鹿児島実−宮崎商】延長12回表鹿実2死一、二塁、中尾が勝ち越しの左前打を放つ(上)。延長12回表鹿実2死一、二塁、上坊が左前適時打を放つ(下)=甲子園
 互いに無失策、1−1のまま突入した今大会初の延長戦に決着をつけたのは、鹿実の見事な3連打だった。
 延長12回、先頭の湊崎が、この日4安打目となる中前打で出塁。しかし、後続が相次いで送りバントを失敗。宮下正一監督は「得点は次の回に持ち越し」と思った。9番田野尻以降は「思い切って振ってこい」とだけ言った。
 指揮官ですら、得点をあきらめかけた局面で、選手たちは、狙い球を定めて冷静に打席へ向かっていた。
 田野尻が今大会3つ目となる死球で出塁すると、打席は中尾。宮下監督が「こいつが打つと、チームに勢いが出る」と最大の信頼と期待を寄せる先頭打者だ。中尾は直球一本に絞った。「自分の持ち味は思い切りの良さ。とにかく振り切ることだけを考えた」。打球は詰まりながらも、三遊間を抜けた。
 続く上坊も直球狙い。「変化球が来たら、ごめんなさい」。そう覚悟を決めた。「チーム1のバットコントロール」(宮下監督)。見事な流し打ちで三遊間に運んだ。さらに3番森田は変化球を待った。「自分の一番得意なコースに来た」スライダーを、きっちりたたいた。
 一気の集中打だった。打者1人ひとりが冷静に配球を読み、自分の持ち味を発揮した。「選手がよく粘ってくれた。県大会からの接戦で、1戦ずつ粘り強さを増している」。宮下監督は選手の成長に目を細めた。
 接戦続きの県大会を経て、身につけた粘り。だれかが不調でも、だれかがカバーするチーム力。県大会で不振だった中尾、上坊、湊崎、今大会1回戦で無安打だった森田がそろって結果を残した。「不屈不撓(とう)」。屈せず、撓(たわ)まず。校訓通りの揺るぎない精神力こそ、最大の勝因だ。
(運動部・堀 巨)



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