
日ごろ縁が無い法律上の問題は、なかなかわかりにくいものですよね。実際に問題に直面した方の相談に弁護士が答える『かごしまフェリア法律相談所』。鹿児島市小川町に事務所を構える上山幸正弁護士が、わかりやすく法律を解説します。
(注)記事内容は「フェリア」掲載日現在のものです
(フェリア2012年5月5日号掲載)
離婚について考える その3 「協議離婚の際の書面作成」
回答は上山法律事務所(鹿児島市小川町)の上山幸正弁護士

離婚時の約束は口約束でも約束(契約)には違いありませんが、その内容を書面に残しておくことはとても重要なことです。一般に、念書といわれる書面は誓約書に近いもので、一方がもう一方に対して約束する内容を記載して差し出すものです。念書には、差し出す側の署名押印のみが記載されています。当事者間の約束であることをより明確にするためには、作成日付を記し双方が署名押印した合意文書に、財産分与、慰謝料、養育費の支払い等の条件を明確に記載しておくと、後日紛争になったときに、合意内容をより容易に証明することができます。
念書や合意文書には、それだけでは強制力が認められません。しかし、念書に書かれた約束が存在したという事実については重要な証拠となります。後日、相手方が約束内容を否定した場合にも、契約(約束)成立の証拠となり、裁判等を有利にすすめることができます。
相手方が書面作成に同意しているのであれば、公正証書を作成することを検討してください。公正証書は法律の専門家である公証人が公証人法・民法などの法律に従って作成する公文書です。鹿児島では、鹿児島合同、川内、鹿屋、名瀬の各公証役場に所属する公証人に依頼して作成することになります。公文書ですから、その記載内容に高い証明力が認められます。さらに、約束を破った時に強制執行を受け入れる文言(強制執行認諾文言)を記載しておくと、相手方が財産分与、慰謝料、養育費の支払義務を怠ったときに、直ちに給与差し押さえ等の強制執行手続きに移ることが可能になります。裁判所での手続きを省ける点が一番のメリットといえます。特に、相手方の資力が十分でなく、長期の分割払いの約束しかしてもらえない場合には、将来の不安を除くためにも、公正証書の作成をおすすめします。

















