'06/02/28 本紙掲載
給油機移駐 岩国への変更要求
鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地へ米海兵隊普天間飛行場(沖縄県)の空中給油機部隊を移駐させる計画について、米側が一転、移駐先を米軍岩国飛行場(山口県)に変更するよう要求、政府間協議が難航している。鹿屋での部隊運用は非効率的とみる海兵隊。米側は、日本が提示した鹿屋と岩国への分割移駐の妥協案にも難色を示し、計画の行方は一層不透明になっている。
(東京支社・三輪住雄)
| 給油機部隊について、日米は1996年の沖縄特別行動委員会(SACO)最終報告で岩国移駐を決定。だが、昨年10月に合意した米軍再編中間報告では「移駐先として鹿屋を優先して検討」とし、給油機12機と海兵隊員300人を常駐させる案が鹿屋市に伝えられた。 その後、先の合意を再び覆す形で、米側は岩国への移駐を要求。日本は岩国の負担軽減を理由に鹿屋移駐を主張し、鹿屋と岩国に分割して移駐する複数の妥協案を提示した。 協議中の妥協案では、米兵や給油機は鹿屋へ移駐し、家族住宅は岩国に置く計画のほか、日常的な機体整備は鹿屋で、複雑な整備点検は岩国で行う「非効率」な計画も取りざたされている。 ■わずか300人
日本に駐留する米兵は計3万6000人。うち岩国や普天間飛行場は3000人超、嘉手納基地(沖縄県)は7000人超と、大半は1000人単位で配置される。 鹿屋のように新規で在日米軍基地を設けることは、目に見える形で日米の同盟関係を強化、アピールできる面がある。だが、実際の運用を考えると、300人程度の小さな部隊は無駄も多く使いにくい、との懸念が米側にあるようだ。 日本側の交渉筋は「米内部では、現場で部隊を動かす軍の意向が大きなウエートを占めつつある。岩国への移駐要望はかなり強い」と明かす。 加えて、米軍向け生活施設の問題もある。基地内に病院や学校を建設する場合、診療科目や建物の大きさは駐留人数などで決まる。政府内には「鹿屋に新設する場合、米側は300人程度の部隊規模では、十分な施設ができないと考えているのでは」と見る向きもある。 ■選択肢模索も 複数の政府高官は「鹿屋移駐を軸に協議中」と強調、中間報告の合意事項は変更できないとの立場を示す。だが、政府内では再編の実現が最優先として、複数の選択肢を模索する動きが出ているのも事実だ。 ある交渉筋は「鹿屋は優先して検討しているにすぎない。鹿屋に加え、ほかの地域を検討しても合意事項に反しない」と柔軟な姿勢をみせる。 一度は岩国移駐を決めたSACO最終報告についても、政府内の解釈は割れている。 一つは、10年前のSACO最終報告より、日米の外務防衛閣僚が近年の安全保障環境を分析して合意した再編の中間報告が優先されるとの見方。一方、中間報告は基本的にSACO最終報告の着実な実施をうたっており、給油機の岩国移駐は可能、との声も残る。 中間報告通り鹿屋移駐となるのか、一部でも計画変更されるのか。地元鹿屋市の意向は蚊帳の外に置かれたまま、3月末の最終報告に向け政府間協議は続く。 |







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