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'06/02/17 本紙掲載 
特集 米軍移転計画


政策決定の手順は?部隊・機体の概要は?地元への影響は?/2回の政府回答書 見えない移駐具体像


 政府が3月末までの最終合意を目指す在日米軍再編の日米協議。米軍普天間飛行場(沖縄県)空中給油機部隊の移駐先とされた鹿屋市は拒絶姿勢を堅持しつつ、国に質問書を提出して計画の詳細把握に努めている。これまでの質問と回答を読み、国が示した移転計画の姿を整理する。

市街地に囲まれた普天間飛行場を離陸する米軍空中給油機KC130=2005年12月、沖縄県
 質問は(1)移転の政策決定の手順(2)空中給油機KC130の部隊や機体の概要(3)自衛隊と米軍が基地を共有する場合の基地運用や在日米軍に関係する事件事故の実態(4)移転がもたらす地元への影響−など多岐にわたる。
 防衛施設庁は、移転の具体的な内容についての質問には「今後の米軍との調整の中で、できる限り確認する」として答えていない。隊員は交代で短期間駐留するだけなのか。家族を伴ってある程度長期間定住し、娯楽施設を含む生活関連施設の新設が必要となるような大規模な展開なのか。回答書からは一切見えてこない。
 一方で、「(米軍が移転しても)基地の飛行場施設としての機能が特段変わるものでない」「(地元に)及ぼす影響が著しいとは考えられない」などと明言。一般論として「さまざまな消費活動が生じる」と経済波及効果を暗示している。
 市民にとって、米兵や軍関係者が引き起こす事件事故も不安の種だ。米兵容疑者の扱いをめぐり、不平等条約との指摘もある日米地位協定への見解をただす問いには、「(日本側にとって)特に不利なものとは考えていない」と断言。運用改善による対処の方針を示す。
 鹿屋市だけでなく、沖縄県をはじめ関係自治体がこぞって反対する現在の再編計画。政府が3月末の最終合意を引き延ばす可能性はあるのか。そもそも、自治体の同意を最終合意の必須条件と考えているのか。
 米軍自体が空中給油機の移駐先に鹿屋でなく岩国飛行場(山口県)を望んでいるとの情報もある。最終段階を迎える再編協議から目が離せない。




協議、政策決定

 問 中間報告の「(KC130の移駐先として鹿屋基地が)優先して、検討される」とは、鹿屋以外に検討されている基地があるのか。
 答 現時点では鹿屋基地以外は具体的に検討していない。

 問 移転の政策決定は普天間代替施設建設の見通しが立った後になるとのことだが、「見通しが立つ」とはどの段階か。
 答 一般的には普天間代替施設が完成し、航空機等の移駐のめどが立った時期になると考えられる。

 問 移転に関して、国は地元住民に説明会を開くか。
 答 市当局からの要望を踏まえ対応する。

 問 「日米地位協定の実施に伴う国有財産の管理に関する法律(国管法)」の規定通り、市長の意見を聞くか。
 答 KC130移駐に伴う鹿屋基地の共同使用は、基地の飛行場施設としての機能が特段変わるものでなく、地元の産業、教育、学術研究、住民生活、その他公共の福祉に及ぼす影響が著しいとは考えられないことから、国管法第7条は適用されず、市長の意見を聞くことは予定していない。

  部隊、機体

 問 空中給油機部隊の名称、指揮命令系統、1機あたりの搭乗可能人数、航続距離は。
 答 KC130を運用している部隊は第152海兵空中給油・輸送隊で、第1海兵航空団第36海兵航空群に属する。公刊資料などによればKC130Jは搭乗可能人数92人、航続距離は搭載量約20トンの場合約4000キロ、9トンの場合約8200キロ、搭載可能燃料3万5993キロリットル。

 問 空中給油機部隊に付随して移駐してくる部隊があるか。
 答 ない。

 問 海兵隊ヘリコプター以外の給油対象機は。
 答 KC130の給油機能としては、米海軍や海兵隊のFA18やEA6B、AV8Bなどのうち、給油装置を装備している航空機に給油可能。空軍機は給油方式が異なる。

 問 空中給油訓練時の油の飛散防止策は講じられるか。
 答 一般的に空中給油訓練は洋上で行われ、鹿屋市上空は想定されない。

   基地運用

 問 使用する燃料の輸送手段は。
 答 鹿屋基地は陸送(タンクローリー)で輸送しているが、KC130が移駐した場合も大きな変化があるとは考えていない。

 問 鹿屋基地における米軍の活動に対して、海上自衛隊に管理・監督権限が与えられるか。
 答 米軍専用として使用される区分は米軍が、海自と米軍が共同使用する部分については海自が使用するときは海自、米軍が使用するときは米軍が管理・監督権限を持つ。

 問 空域の管制は。
 答 海自が実施し、米軍専用の管制区域が設定されることはない。

 問 一時的に飛来するとされるC130やP3の訓練の内容は。
 答 C130については輸送訓練、P3については対潜訓練などのために飛来する可能性がある。離着陸訓練等も鹿屋基地で行われると考えられる。

 問 米軍の飛行訓練や外来機が一時寄航する場合、住民や自治体に事前連絡はあるか。
 答 米軍の運用にかかわることで、国も含めて事前連絡はない。

 問 現在鹿屋基地で行われている燃料タンクや格納庫の整備は移転と関係ないか。
 答 海自の所要に基づいて行っているもので、米軍移転とは関係ない。

 問 滑走路の本数や長さは現行で足りるか。
 答 鹿屋基地は2250メートルの滑走路があり、KC130の運用上、長さや本数を拡張する必要はない。

  事件・事故

 問 米軍人・軍属およびその家族が過去5年間に起こした事件、交通事故の件数は。
 答 防衛施設庁が、米軍による事件・事故の被害に対する補償業務を実施する中で知り得た件数は2000年度1734件(うち交通事故1616件)、01年度1733件(同1540件)、02年度1944件(同1800件)、03年度2079件(同1913件)、04年度1866件(同1715件)。05年度は10月末現在で914件(同835件)。

 問 米軍人の公務外の事故で、加害者の米兵が無資力等の理由から、防衛施設庁を経由して米国政府が被害者に補償した件数は過去5年間に何件あり、総額はいくらか。
 答 00−04年で96件あり、補償総額は約3億6300万円。

 問 米軍人等の行動範囲や外出時間などを規制するルールがあるか。
 答 日米地位協定に規定はない。米側は各基地でリバティ・カード・プログラム等による米軍人の外出規制や交通安全教育等を実施するなど対策を講じている。リバティ・カード・プログラムは米軍内で外出禁止時間を判別する色識別カード。

    影響等

 問 市民生活への影響の判断基準は。米軍の新たな駐留は市民生活に影響を及ぼさないか。
 答 社会通念に照らし判断されると考える。KC130の移駐による影響は騒音が考えられるが、現在の鹿屋基地の騒音状況を大きく変えるものとは予想されない。海自の鹿屋基地が米軍と共同使用になっても、同基地の機能が特段変わるものではなく、基地の態様も大きく変化するとは考えていない。

 問 基地従業員は地元から採用するか。
 答 米軍からの求人要求に基づき、独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構が同機構のホームページおよび米軍基地の所在する地域のハローワークを通じ随時募集する。例えば、山口県の岩国飛行場に勤務する駐留軍等労働者の過去3年間の採用者約250人のうち、同県からの採用者は約220人。

 問 在日米軍基地内に設置される商業施設の種類は。
 答 食料品、日用雑貨、家具、衣料品、靴、本、自転車等の販売所、クリーニング店、理髪店、食堂、劇場、映画館、ボウリング場、ゴルフ場、銀行、ガソリンスタンドなど。

 問 米軍移転による鹿屋への経済効果をどう把握しているか。
 答 具体的に示す段階にない。一般論では、新たな施設建設工事等に伴い、建設経済への需要が誘発され、施設整備後は施設の維持管理工事、米軍人等による飲食、観光等における支出など地域社会においてさまざまな消費活動が生じると考えられる。

 問 今後の安全保障や日米の良好な関係を保持していくためには地位協定の改定が必要だと考えるが、国はどう対応するか。
 答 地位協定は運用の改善により対応していくことが合理的であると考え、改善に努力している。政府として、地位協定が特に不利なものとは考えていない。
米軍移転計画 Index
 

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