'06/01/01 本紙掲載

南日本新聞社が実施した鹿児島県民への電話世論調査によると、最大の焦点である「九条見直し」は反対派が半数近くを占め、平和憲法へのこだわりを示した。一方で、自衛軍保持は賛否が割れ、安全保障に対する複雑な心情をのぞかせた。米軍部隊の鹿屋移転計画や県内陸上自衛隊のイラク派遣など、国際情勢にからんだ重大ニュースが相次いでいる。身近な問題になろうとしている国防や外交への県民の関心は、今後ますます広がりそうだ。
ニュースピックアップ「米軍鹿屋移転「反対」57%」(06/01/01)
米軍鹿屋移転
「騒音、治安心配」4割
2005年10月29日、日米政府が合意した在日米軍再編の中間報告で、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地への米海兵隊空中給油機部隊移転が盛り込まれた。これまで鹿児島県内には米軍駐留はなかったが、県や鹿屋市は関係自治体として国との交渉の舞台に引き上げられた。
この米軍移転について、すべての世代で反対派が賛成派を圧倒。支持政党別でも、与野党問わず、反対派が大きく上回った。しかし、賛否を明らかにしていない人も多く、20代では半数近くが「分からない・答えない」と回答した。
反対の理由の40.8%を占めたのが「騒音・事故・治安などが心配」。移転が計画される空中給油機KC130は、現在鹿屋基地に配備されている海上自衛隊の哨戒機P3Cと同様のプロペラ機。ジェット機と比べ騒音は少ないとされるが、中間報告で示された12機の離発着に神経をとがらせていることが分かった。国が地元に伝えた移転人数は約300人。米軍を街に迎えることへの拒否反応は根強いことが鮮明になった。
一方、賛成の理由は「経済効果が期待できる」は24.8%にとどまり、「沖縄の負担軽減に協力すべき」が56.0%と大差をつけた。中間報告公表後、政府は地元への最大限の配慮を閣議で申し合わせるなど経済支援策をにおわせている。しかし、県民はそんな懐柔策よりも、狭い島に在日米軍施設の75%が集中する沖縄の現状に目を注いでいることがうかがえた。
中間報告では、鹿屋への米軍移転に象徴されるように、日本国内の自衛隊基地を米軍と共同使用しようとする傾向が目立つ。米軍と自衛隊の関係が緊密になることについては、すべての世代で反対派が賛成派を上回った。特に積極的な反対が目立ち、多くの県民が、実質的な日米軍事同盟強化に踏み込む動きに懸念を示しているといえそうだ。
この米軍移転について、すべての世代で反対派が賛成派を圧倒。支持政党別でも、与野党問わず、反対派が大きく上回った。しかし、賛否を明らかにしていない人も多く、20代では半数近くが「分からない・答えない」と回答した。
反対の理由の40.8%を占めたのが「騒音・事故・治安などが心配」。移転が計画される空中給油機KC130は、現在鹿屋基地に配備されている海上自衛隊の哨戒機P3Cと同様のプロペラ機。ジェット機と比べ騒音は少ないとされるが、中間報告で示された12機の離発着に神経をとがらせていることが分かった。国が地元に伝えた移転人数は約300人。米軍を街に迎えることへの拒否反応は根強いことが鮮明になった。
一方、賛成の理由は「経済効果が期待できる」は24.8%にとどまり、「沖縄の負担軽減に協力すべき」が56.0%と大差をつけた。中間報告公表後、政府は地元への最大限の配慮を閣議で申し合わせるなど経済支援策をにおわせている。しかし、県民はそんな懐柔策よりも、狭い島に在日米軍施設の75%が集中する沖縄の現状に目を注いでいることがうかがえた。
中間報告では、鹿屋への米軍移転に象徴されるように、日本国内の自衛隊基地を米軍と共同使用しようとする傾向が目立つ。米軍と自衛隊の関係が緊密になることについては、すべての世代で反対派が賛成派を上回った。特に積極的な反対が目立ち、多くの県民が、実質的な日米軍事同盟強化に踏み込む動きに懸念を示しているといえそうだ。
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自衛軍保持
九条改正 根強い抵抗感
日本国憲法の最大の特徴は平和主義。その根幹をなす九条を変えることに対して、36.2%が「反対」、8.7%が「どちらかといえば反対」と回答した。「賛成」14.5%、「どちらかといえば賛成」12.6%を大きく上回り、戦争放棄と戦力を持たない決意を明文化した価値観は、依然多くの県民が共有していることが分かった。
自民党は新憲法草案で、九条2項の「戦力不保持・交戦権否認」を削除して「内閣総理大臣を最高指揮権者とする自衛軍保持」をうたっている。自衛隊からの名称変更にとどまらず、集団的自衛権の容認など憲法の本質が変ぼうするといわれている。
この自衛軍については、反対派(35.4%)が、賛成派(31.1%)をわずかにしのいだ。反対派の31.3%が「軍事大国への道を開きかねない」を理由に挙げ、27.7%が「戦力を持たない国家であるべき」、「平和憲法のかなめ」は23.4%だった。一方、賛成の理由は「軍隊を持つのは普通の国として当然」28.7%、「制定されたときと比べて国際情勢が変化」25.2%、「国際貢献をする上で欠かせない」23.7%と続いた。
年代別に見ると、40代以下が反対多数だったのに対して、戦争体験を持つ70代を含め50、60代は逆に賛成多数となった。この傾向は男性に顕著に表れた。
九条を変えることへの反対(消極的も含む)が44.9%あったことを考えると、その九条を変えて自衛軍を盛り込むことへの反対が35.4%にとどまったのは、矛盾ともみえる結果。外国からの侵攻や大規模テロへの懸念を抱く人が増えていると考えられる半面、平和条項を捨てることには根強い抵抗感があるといえそうだ。
自民党は新憲法草案で、九条2項の「戦力不保持・交戦権否認」を削除して「内閣総理大臣を最高指揮権者とする自衛軍保持」をうたっている。自衛隊からの名称変更にとどまらず、集団的自衛権の容認など憲法の本質が変ぼうするといわれている。
この自衛軍については、反対派(35.4%)が、賛成派(31.1%)をわずかにしのいだ。反対派の31.3%が「軍事大国への道を開きかねない」を理由に挙げ、27.7%が「戦力を持たない国家であるべき」、「平和憲法のかなめ」は23.4%だった。一方、賛成の理由は「軍隊を持つのは普通の国として当然」28.7%、「制定されたときと比べて国際情勢が変化」25.2%、「国際貢献をする上で欠かせない」23.7%と続いた。
年代別に見ると、40代以下が反対多数だったのに対して、戦争体験を持つ70代を含め50、60代は逆に賛成多数となった。この傾向は男性に顕著に表れた。
九条を変えることへの反対(消極的も含む)が44.9%あったことを考えると、その九条を変えて自衛軍を盛り込むことへの反対が35.4%にとどまったのは、矛盾ともみえる結果。外国からの侵攻や大規模テロへの懸念を抱く人が増えていると考えられる半面、平和条項を捨てることには根強い抵抗感があるといえそうだ。
イラク派遣
期限の延長「反対」57%
2004年2月に始まった陸上自衛隊のイラク復興支援。05年11月からは、南九州の駐屯地を主軸に編成された第8次群がイラク南部のサマワで道路工事や施設復旧などの活動を展開している。
国分、川内の隊員が派遣され、鹿児島県民にも身近になった陸自のイラク派遣だが、先行きは不透明。サマワで治安維持を担当するイギリス、オーストラリアは今春にも撤退する見通しだ。
そんな中、政府は05年12月14日に迎えた2度目の派遣期限を1年間延長した。この決定に対して、「反対」40.7%、「どちらかといえば反対」が16.5%で、明確な県民意思が表示された。
反対の理由は「このままでは日本人の犠牲が出る」が40.4%、「復興支援は非軍事的に行うべき」31.5%。非戦闘地帯とされるサマワだが、現地の治安への懸念は消えず、派遣隊員の安全を気遣う心情がうかがえる。また、経済や技術支援など日本の得意分野を生かした支援を期待しているといえそうだ。
国分、川内の隊員が派遣され、鹿児島県民にも身近になった陸自のイラク派遣だが、先行きは不透明。サマワで治安維持を担当するイギリス、オーストラリアは今春にも撤退する見通しだ。
そんな中、政府は05年12月14日に迎えた2度目の派遣期限を1年間延長した。この決定に対して、「反対」40.7%、「どちらかといえば反対」が16.5%で、明確な県民意思が表示された。
反対の理由は「このままでは日本人の犠牲が出る」が40.4%、「復興支援は非軍事的に行うべき」31.5%。非戦闘地帯とされるサマワだが、現地の治安への懸念は消えず、派遣隊員の安全を気遣う心情がうかがえる。また、経済や技術支援など日本の得意分野を生かした支援を期待しているといえそうだ。








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