'05/12/27 本紙掲載
鹿屋へ調査費、岩国も補助

日米両政府が10月末に、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地へ米軍空中給油機部隊を移転させるなどの再編案に合意して2カ月近くが過ぎた。政府は鹿屋市など関係自治体の理解を得られないまま、年末の予算編成に着手。再編案の実現を迫る米国と、反発する地元自治体のはざまで、迷走する政府の無策ぶりが浮き彫りになっている。
(東京支社・三輪住雄)
| 防衛庁長官らは10月末以降、再編案に関係する全国55の自治体を訪問。理解と協力を求めたが、すべての自治体が反対した。 「反対されるのは予想していたが、首長らから『何しに来たんだ』と追及されるとは思わなかった」。鹿屋市や宮崎県などで説明に当たった防衛施設庁幹部は語る。 駐留する米軍関係者の人数や、訓練内容を自治体から聞かれても、明確に答えることができなかったからだ。同幹部は「地元が受け入れるかどうかを判断するための具体的な内容を提示できなかった」と、政府の場当たり的な対応を認める。 ■「地ならし」警戒 政府は12月20日、鹿屋基地など米軍移転先とされた6カ所の基地で、既存施設の立地状況を把握するための調査費3億円余を本年度補正予算案に計上した。うち鹿屋関係分は1500万円。
鹿屋市は11月、米軍の運用計画や事故発生時の補償に関する質問書を防衛庁へ提出。いまだ回答がない中での調査費計上に、「地元が求める情報を示さずに、予算措置を進めるのは順番が逆。日米が最終合意する来年3月まで時間がなく、外堀が埋まるようだ」(同市秘書広報課)といらだちを募らせている。 10月末の日米合意時は、政府が直前まで地元へ説明しなかったことが批判された。これに対し、政府は「ぎりぎりまで米側と協議し、地元へ説明する内容が決まらなかった」と釈明する。だが、今も国と地方の溝は埋まらず、地元に具体案を示すための調査費すら、地元との亀裂を広げる要因となっている。 ■複数の選択肢? 米軍空中給油機部隊は1996年の日米合意で米軍岩国飛行場(山口県岩国市)へ移転させる計画だったが、今回の再編案で「鹿屋基地を優先して検討」とされた。 そんな中、政府は来年度予算で、従来通り岩国市への補助金支出を決定。新たに11億円余を盛り込み、総額16億円が岩国市へ支払われる。 鹿屋移転の場合、税金投入の根拠がなくなるのは明らか。政府は「鹿屋移転は最終合意ではなく、岩国への補助を一方的に打ち切ることはできない」と説明するが、そうなると鹿屋基地の調査費計上は説得力を欠く。 地元調整と予算編成の時期が重なったとはいえ、鹿屋や岩国への予算措置にあいまいさが残るのは否定できない。米国との合意事項を何とか実現しようとしながらも、関係自治体を刺激しないために、複数の選択肢を残そうとする政府の思惑が垣間見える。 |







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