鹿児島市坂元町の県道鹿児島・蒲生線沿いに、「私設 福山橋」と書いた看板の立つコンクリート橋がある。「私設」の2文字が前から気になっていた。橋といえば、ふつう役所が造るものと思いがち。どうして個人が設けたのか。
橋は、県道と会社員福山睦郎さん(47)宅を結ぶ。だから「福山橋」。およそ長さ10メートル、幅5メートルある。福山さんによると、今の橋は2代目で1991年に完成した。初代は70年の建造。7年前に亡くなった父常光さんが、個人タクシーを開業する時に私費を投じて架けた。
県道と福山さん宅の間には一段下に小川があり、道路からは1度下りて、小さな橋を渡り、また上がらなければならなかった。個人タクシーの認可をもらうために、道路と家を直結する頑丈な橋が必要だった。
今、小川は暗きょとなり市道が走る。このため福山さんは5年に1度、市に道路占用許可をもらう。「市道をまたいで県道とつなぐ私設橋は珍しい」(市道路管理課)
「福山橋の看板が、小さいころは恥ずかしかった」福山さんも、今は橋を残してくれた父に感謝。「よその橋より愛着を感じます」と話す。
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