ロバート・ファウザー氏
若者が世の中を変えられる。世の中を変えようとすることは、大人として未来に期待し、新しい社会をつくっていこうとすることを意味する。ニュースが好きな私は、その例として2つの出来事を思い浮かべる。
2002年の韓国大統領選挙。午前中の低投票率が報道されると、盧武鉉氏を支持する若者が、携帯電話やインターネットを活用して、知り合いに投票を呼びかけた。午後から投票率は急上昇し、結局、盧氏が当選した。
今年のアメリカ大統領選挙も同様に、若者の圧倒的な支持でバラク・オバマ氏が民主党の指名を受ける見込みで、史上初の黒人大統領候補が誕生する。
■18歳は子ども?
では、日本の若者はどうかというと、今回のアンケート結果を見ると、少し心配になってきた。
61%が成人年齢引き下げに反対し、賛成したのは24%だけ。そこからは、大学1、2年の18、19歳は、まだ「子ども」なのだと、すぐに理解できる。
反対理由として、「大人とは働いている社会人で、学生はまだ経済的に自立していないので、成人年齢を引き下げるのは好ましくない」といった意見が多かった。逆に賛成理由を見ても、「18歳に大人としての判断力がある」と考える人は少なかった。同じアンケートを韓国や米国で実施したら、ほとんどの学生が「18歳は大人だ」と答えるだろう。
韓国も経済的に親に依存しているのが普通だが、1960年に学生を中心としたデモが独裁政権の李承晩大統領を辞職させたころから、学生が大人として「国のこと」を考える義務があるという風潮が広がった。
米国では、学生の経済的自立は普通だが、韓国と同様に「国のこと」を考えることに対する義務感と同時に、一人一人が社会に参加する権利意識を持っている。
■楽な道を選ぶ
法的に成人年齢を設定するため、どこかにラインを設定するのはやむをえない。選挙権は韓国は19歳(05年に20歳から引き下げた)、米国は18歳だが、これらの国では、高校を卒業すれば、自分の未来だけでなく「国のこと」、さらに最近は「地球のこと」を考えることを当然の義務として受け止めている。
だが、日本で国や地球のことを口にすると、変に政治に取り組んでいるような印象を持たれてしまう。そうなってしまった原因は、激しい学生運動が逆に国民を遠ざけてしまったうえ、バブル時代に若者が消費文化に魅力を感じるようになったからではないか。そこから「うるさいことを考えないで、静かに用意された道さえ通れば楽だ」というムードが形成された。
「大人」は、自分のことだけではなく、国や世界、そして地球のことなど、より大きなことを考えなければならない。これから日本の学生が、より大きなレベルでものを考え、「夢」を見るように育たないかぎり、同じ調査を何度やっても、結果は変わらないだろう。
かつて親しかった韓国の学生が私に言ったとおり、結局それは「民主問題」、つまり「自ら社会に積極的に参加する意欲があるのか」という問題ではないだろうか。
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